部下へのタスク委任から生まれる自身のフォローアップToDoを確実に管理し、業務の中断を防ぐ方法
日々の業務において、チームへのタスク委任や部下への指示出しは、組織全体の生産性向上に不可欠です。しかし、任せたタスクの進捗を把握し、必要に応じてサポートや調整を行う「フォローアップ」は、自身の重要なToDoとなります。これらのフォローアップToDoを効果的に管理できなければ、必要な連携が遅れたり、予期せぬタイミングでの確認作業が自身の集中作業を中断させたりする原因となります。
チームへのタスク委任が自身のToDoリストに与える影響
タスクをチームに委任する行為は、自身の担当作業を減らす一方で、新たな管理タスクを生み出します。具体的には、「〇〇さんへの依頼事項の期限を確認する」「△△プロジェクトの進捗報告を待つ」「□□さんの作業が完了したら、次のステップの指示を出す」といったフォローアップや連携に関するToDoです。
これらのフォローアップToDoは、性質上、チームメンバーの動きや外部からの情報に依存することが多く、自身の計画に組み込みにくいと感じる場合があります。また、自身の他の、より深く集中する必要のある作業中に、これらの確認や指示が必要になることで、作業が中断されるリスクも高まります。
フォローアップToDo管理で中断を防ぐ具体的な手順
自身のフォローアップToDoを確実に完了させつつ、業務の中断を最小限に抑えるためには、以下の具体的な手順で管理システムを構築することが有効です。
ステップ1：委任・指示出しと同時にフォローアップToDoを明確にする
タスクを委任または指示する際には、以下の点を同時に明確にします。
- フォローアップが必要か: すべての委任タスクに詳細なフォローアップが必要なわけではありません。信頼できるメンバーへの定型業務など、経過報告を待つだけで十分な場合もあります。特にフォローアップが必要なタスク（重要度が高い、緊急度が高い、経験の浅いメンバーへの依頼など）を特定します。
- フォローアップの具体的な内容: 「〇〇さんから報告書を受け取る」「△△の進捗について会議を設ける」「□□さんの質問に答える準備をする」など、自身が取るべき次の具体的な行動を定義します。
- フォローアップの期限またはタイミング: いつまでにフォローアップを行う必要があるか、またはいつ行うのが適切かを決めます。「〇月〇日までに」「タスク開始から3日後に」「〇〇会議の前日までに」のように設定します。
ステップ2：フォローアップToDoを自身の主要なToDoリストに登録する
ステップ1で明確にしたフォローアップToDoは、忘れずに自身のメインのToDoリストやタスク管理ツールに登録します。この際、以下の情報を含めます。
- ToDoのタイトル: 具体的な行動内容と対象者やプロジェクトを含めます（例: 「〇〇さんへの依頼（報告書作成）進捗確認」）。
- 期日: ステップ1で定めた期限またはタイミングを入力します。
- 関連情報: 必要に応じて、委任したタスクの内容、目的、関連資料へのリンク、チームメンバーの連絡先などをメモとして添付します。
紙のリストを使用している場合は、専用のセクションを設けるか、他のタスクと区別できるように印をつけるなどの工夫をします。デジタルツールの場合は、特定のタグを付ける、プロジェクトごとに分類するなどの方法が考えられます。
ステップ3：フォローアップToDoの実行時間を計画する
これが、自身の他の業務の中断を防ぐ上で非常に重要なステップです。フォローアップToDoが発生した都度、または期日が来たからといって、自身の集中作業を中断してすぐに実行するのではなく、予めフォローアップやコミュニケーションのための時間を確保することを検討します。
例えば、毎日午前と午後の特定の時間帯（例: 9:30～10:00、15:00～15:30）を「チームコミュニケーション＆フォローアップタイム」としてブロックします。この時間帯に、ToDoリスト上のフォローアップタスクを確認し、必要な連絡や確認作業を集中的に行います。
このように時間を固定することで、一日の他の時間帯は自身のコア業務に集中しやすくなり、突発的なフォローアップ要求による中断を減らすことができます。また、チームメンバーにも「この時間はマネージャーが確認や相談に乗ってくれる時間帯だ」という認識が生まれ、互いに効率的に連携できるようになります。
ステップ4：定期的なレビューでフォローアップToDoを見落とさない
週に一度など、定期的に自身のToDoリスト全体をレビューする際に、フォローアップToDoのセクションを特に注意深く確認します。
- 期日が近づいている、または過ぎているフォローアップToDoがないか。
- チームメンバーからの情報を受け取ることで、完了または更新すべきフォローアップToDoがないか。
- 状況の変化により、フォローアップToDoの内容や期日を変更する必要がないか。
このレビューを通じて、必要なフォローアップが漏れることを防ぎ、常に最新の状況を反映したToDoリストを維持します。
実践のポイント
- 完了基準の明確化: フォローアップToDoが「完了」した状態を具体的に定義しておきます。「報告書を受け取った時点」「次のアクションの指示を出した時点」などです。
- ツール連携の活用: チームで使用しているプロジェクト管理ツールやチャットツールと、自身のToDo管理ツールを連携できる場合は活用します。例えば、特定のメンションやステータス変更が自動的にフォローアップToDoとして自身に通知されるように設定するなどです。
- 柔軟な対応: 固定したフォローアップタイムを設定しても、緊急性の高い事項が発生することもあります。その場合は、タスクの緊急度と重要度を判断し、必要であれば計画を一時的に調整する柔軟性も持ち合わせることが重要です。
まとめ
チームへのタスク委任や指示は、管理職にとって日常的な業務ですが、それに伴って発生する自身のフォローアップToDoの管理は、自身の生産性を維持し、業務の中断を防ぐために非常に重要です。
委任と同時にフォローアップToDoを明確にし、自身の主要なToDoリストに適切に登録する。そして、フォローアップのための時間を意識的に確保し、定期的にレビューを行うことで、これらの管理タスクを効率的にこなし、自身の集中作業への影響を最小限に抑えることができます。
この具体的な手順を実践することで、チーム全体のパフォーマンス向上と、自身のタスクの確実な完了を両立させることが可能になります。